称名寺のシイノキ Chinquapin in Miyagi
生々しく力強い
異形のシイノキ
大樹を巡っていると、だんだんと自分の好きな木の傾向がわかってきます。私が強烈に心惹かれるのは異形の木。樹皮はゴツゴツとして、根はのたうつように大地を這いまわり、枝は何かをつかみとろうと上へ上へと伸びている......。生々しくも力強い、「生」への欲望をあらわにした大樹。
この木はまさに異形のシイノキ。生命エネルギーに満ち満ちて、前に立った瞬間から、細胞の一つ一つが湧き立つように震え、体がほてってきました。思わず根元に横たわり寄り添っていると、あまりに気持ちよくてうとうと眠ってしまいました。心で感動する前に体が反応する、そういう神秘的な肉体感覚を感じることでしょう。境内の奥にもう一樹あり、こちらは清らかな気を放っていました。根元には石仏様があり、美しく品格を感じるシイノキです。ぜひこの木も訪ねてください。
市街地を見下ろす高台の境内、お墓の中に立つ二本の大樹です。どちらも、ここを訪れる人が子々孫々大切にしてきた木であることが伝わってきます。
◎樹種/シイノキ(ブナ科)
◎樹齢/約700年
◎樹高/14m
◎幹周り/11m
◎所在地/宮城県亘理郡亘理町旭山 朝日山称名寺
(2011年9月現在)